10218人が本棚に入れています
本棚に追加
ソロモン王が、去った後…
ガルムは、呆然と立ち尽くしていた…
「本当に…とんでもない事になったな」
そう言うと、しばらくしてから、店内に戻る。
『ガルム!終わったか?ほら…お前の分だ』
ブラドーが、グラスを差し出す。
今は、とても飲む気が出て来ない。
リリァは、俺の顔が青ざめている事に気が付いた様で…
「ブラドー!もう無理させちゃ駄目!!ガルム、先に帰ってなさい…私は、マスターとブラドーを連れて帰るから」
「すいません。ちょっと、疲れが出たみたいです…」
『そうか…仕方ないな…まだ話をしたかったが、ブラドーと飲むか』
ヴォルフさんは、少し残念そうに呟くと…
『ブラドー、マグナスで道案内を頼む…』
『はぁ…餓鬼じゃあるまいし?普通に帰れるだろ?』
「ブラドー…ガルムが迷子のプロフェッショナルって、忘れてたの?」
迷子のプロフェッショナルって…
なんか、酷い言われ様だ…
否定は出来ないけど…
『分かったよ。マグナス…』
そう呟くと、ブラドーの影から、一匹の蝙蝠が出て来た。
『聞いての通りだ…ヨロシクな!』
ブラドーは話しかけると、蝙蝠は抗議するかの様に、キィキィっと何か話している。
『五月蠅い…酒のツマミにならん内に、行け…』
ギィッ!?
少し、呻く様に声をあげて、ションボリとガルムの前に飛んで来た。
「よろしく…マグナス」
ギィッ…
あからさまに、嫌そうに飛んでいるが、案内してくれる様だ…
俺は、ヴォルフさん達に挨拶して、家に帰る事にした…
最初のコメントを投稿しよう!