もう一人のデモノイーター?

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ガルムが店から出て、見えなくなるまで、ブラドー達は、ガルムを見ていた… 『方向は合っているが、大丈夫か?本当に…』 ヴォルフが、ブラドーに聞く。 『大丈夫だよ…疑うなら、一緒に帰れよ』 クィッと、ジンを口に含む。 「もう、マスター達は飲み過ぎです。聞いてますか?」 二人は、リリァの話を耳にも止めず。 ガタンッと、急に立ち上がる… 「…どうしたの?」 驚いているリリァに、ヴォルフとブラドーは、向かって… 『悪い…俺もトイレ』 『済まない…ちょっと行って来る』 トテトテと、トイレに駆け出す二人。 「はぁ…酒好きが集まると大変ね…」 やれやれっと、ため息をつくリリァに、カーツが酒を持って来る… 「待たせたな!ジンとテキーラだ…アレッ?ヴォルフは?」 カーツは、キョロキョロと、辺りを見渡す。 「今…トイレに行った所よ。じゃあ…そのジン、いただこうかしら?」 リリァは、カーツからジンを貰おうとすると… 「えっ!?これは駄目だ!」 バッと、ジンとテキーラを背中になおす。 「何が駄目なのよ…」 「うっ!?それは…あれだ。まだ、飲み終わってないじゃないか」 リリァのグラスに、指を指して言った… 「まぁ…それもそうね」 ゴクゴク… リリァは、一気に飲み下す。 「はい…飲んだから、ソレ頂戴」 カーツは、青ざめながら… 「これは、駄目なんだ…渡せない」 ここまで来ると、リリァも、怪しみだす… 「ねぇ?カーツ。私のグラスに、入ってたの…水でしょ?」 妖しい笑みを浮かべながら、尋ねてくる。 「イヤァァ…ジンだよ!ジン。間違なく」 焦って、言葉が早くなる。 「うふふッ…正直な人は、死ににくいのよ」 そう言うリリァに、カーツは、小さく… 「嘘だ…絶対、ウソだ…」 「嘘かどうか…試しましょうか?」 リリァは、無造作に荷物から、大きなハンマーを出す… その瞬間… 「すいません…嘘です。水です!だから、お酒は飲まないで下さい…」 必死で、懇願してくる… 「何を今更…たかが、お酒でしょ?全然平気よ…」 そう言うと、カーツから、ジンを取り上げて飲み始めた…
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