10218人が本棚に入れています
本棚に追加
バタンッ…
ヴォルフとブラドーが、トイレから出て来る…
その瞬間に、店内の異常に気付く…
『アレ…人が居なくなったな?』
ガシャーン…
近くの酒ダルから、足が生えていた…
『アレ…何だと思う?』
『足だな…って、アレ酒入ってるだろ?』
落ち着いて、ブラドーが尋ねる…
『ああ?そうだな…』
ヴォルフも、呆然と答える。
『助けなくて良いのか?多分、死ぬぞ…』
『おぉ…そうだった!ヨッと…』
酒ダルから、人を引っこ抜く。
『なんだ?カーツ…新しい遊びか?』
カーツは、ゆっくりと目を開けると…
「済まない…リリァが…ガクッ!!」
そう言って、カーツは意識を無くした…
『えっ!?カーツ…なんて言った…今、なんて言った。カァーツ!』
カーツの肩を、ガクガクと揺らして、ヴォルフは起こそうとする…
「マスター…遅いわよ!うふふっ…」
ビクッ!?
ヴォルフが後ろを振り向くと…
満面の笑みを浮かべて、リリァが後ろで、立っていた…
『何だよ…他の客は?チビ』
ブラドーが、リリァに尋ねた瞬間…
ドスッ…
ブラドーのみぞおちに、完璧な手刀がめり込む。
『ぐぉぉっ!?痛ぇ…ゴホッ…何するんだよ?』
ブラドーが、腹を抑えて、片足をつく。
「この私に向かって、チビチビって失礼よね?レディに対しての礼儀がないわ」
『リリァ?もしかしなくても、飲んだ?』
オズオズと、ヴォルフが尋ねる…
「えぇ…マスター。今日は、飲みまくるんですよね?まだまだ…楽しませてください…」
妖しく笑いながら、そう答えた。
『おい…何かヤバげだな。じゃあ、先に帰る』
ブラドーが、シュタッと、手をあげて出口に向かって、走り出す。
シュッ…
ブラドーが、出口を出るよりも速く、リリァがブラドーの頭を掴み上げた。
メギメギメギッ!?
「誰が…帰って良いと言ったの?」
『ぎょぇッ!?痛ぇぇッ…痛ぇッ!!』
ブラドーの頭がメキメキと音を立てた。
『アレは…ヤバい!リリァの必殺技・アイアンブラック!!』
最初のコメントを投稿しよう!