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「どうして、見えないの?それに君は何者なの」
ガルムは不安を覚えて、尋ねてみた。
『俺が見えないのは、多分認めてないんだよ。俺が居る事をね。』
それがどう言う事が僕には分からなかった。
『そうそう、俺の名前はアスタロト、俗に悪魔って呼ばれてる者かな。アスタルって呼んでな』
「えッ、悪魔?」
僕は、打たれ過ぎて頭がおかしくなったのかもしれない。
なにが悪魔だ。そんなの居るはず無いじゃないか。
どこだよ、姿を見せろよ。
『まぁ、誰もいないし、いいよ。特別だよ』
スゥ~と僕の影から、あり得ない事が起きていた…
まるで、黒曜石のような輝きを持つ黒い体、丸太のように図太い腕、大きな蝙蝠のような羽根を生やした本に載っているような悪魔の姿が僕の目の前にいた…
「なっ、こんなの居るはずない。悪魔なんて居るはずがないのに…」
アスタルは声のトーンを高くして
『どう?信じてくれた』僕は、驚くと同時に興奮していた。
「スゴい。本物なの?」
『何度も言うのは好きじゃないよ。』
そう言って、黙ってしまった。
「疑って悪いと思うけど…なんで僕に力をくれるって言ったの?」
『それは、俺が暇だったからだよ。悪魔はずっと生きてるんだよ。ヒマでヒマでしょうがないんだ。』
そう言って、欠伸をする真似をしていた。
『それに、君はね。悪魔と同化できる力が有るみたいなんだよね。』
キラリとアスタルの目が光った。
「同化って、悪魔になるって事かな?」
『いや、君は君のままで悪魔の力が使えるって事さ』
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