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僕はじっとルイを見つめた。
ルイはまだ頭を下げている。
「ユーリィ、そろそろ許してやれ。ルイはこれからお前の勇者になるんだからな」
ガイが呆れたように言った。
正直なところ、僕は何が何でも魔法をぶっ放したかった。
だけど、こいつの青い髪を見ているとどうしても呪文を唱える気にはなれなかった。
……だって、青い髪はセイラ様と同じだから……
「……わかったよ」
僕が渋々言うとルイは嬉しそうに顔を上げた。
「ありがとう、ユーリィ。やっぱりお前、いいやつだな」
「……自分の髪の色に感謝するんだな」
珍しく僕が許したのがよほど可笑しいのか、声を殺して笑っているガイに、小さな火を付けた。
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