食いしん坊

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Mという男の子がいた。 Mは小さい頃からよく食べる子で、母親は最初気にもしてなかったが小学校にあがる頃には朝から寝るまで食べられるものは片っ端から食べ、小学校に行くのにランドセルの中は教科書ではなくお菓子を詰め、先生に没収されたりしていたくらいだった。 家に戻ってきても食べてばかりいる始末で母親は不安に思っていた。 そんなある日、ぴたりとMの乱食が直り、母親がホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、最近小学生低学年を狙った誘拐が多発しているという噂が広まった。 Mと仲の良かった女の子や、同じクラスの女の子があなくなっていると聞いてた、また別の不安材料だった。 母親は「知らない人についていっちゃだめよ」とMに毎日言い聞かせた。
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