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最初のうちは些細なことあったのだが、段々とそれはエスカレートし、その嫌がらせにいい加減腹を立てたグロリアはある時、激しく反撃をしたのだった。
それはもう……凄まじく恐ろしいものであった。
反撃された隊員はその後暫く身動きが取れなくなり、その様子を見た他の者たちはグロリアに対しての嫌がらせをぴたりと止めたという…………。
「今回の任務はそこいらの魔物をただ倒せばいいってものではないのよ。わかってるの?」
グロリアは二人に詰め寄る。なまじ綺麗な顔立ちなので睨まれると結構怖い。
「あぁ、もちろん」
「…………」
すかさず答えるアールのその顔はかなり引きつっていた。それに対し、グレスはグロリアを一瞥しただけで黙っている。
グレスの態度を見てグロリアの片眉が吊り上った。
「あ……えっと……グロリアも行くんだろ。もしそうなら俺らと行かないか?そのほうが心強いし……」
グレスとグロリアの間に生じた、微妙に重く冷たい沈黙を拭い去ろうと慌ててアールが二人の間に入る。
アールの誘いにグロリアは小首を傾げ、自分の背後を指し示しながらにっこりと笑みを零した。
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