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「うわぁ!すまん!悪かった……」
かなりつらくてアールはすぐに白旗を上げると、グロリアは腕の力を緩めアールを解放する。
解放されてアールはほぅっと息をついた。
「まったく相変わらず失礼なんだから。……ファータ?」
相変わらず馬鹿力だなぁ……と思いつつもアールは口には出さなかった。
口に出したりしたら一体何をされるか、考えただけでも恐ろしい……。
そんな風にアールがぶつぶつと考えていると魔導師……ファータはつかつかとグレスの前に進み出た。
そしてグレスを指差し言い放つ。
「……グレスどの……といいましたか……」
「?」
青年の声は思ったよりも高く不思議な響きを感じられた。発音から育ちの良さが伺える。
初対面の魔導師に突然指差されてもグレスの表情に変化は見られなかった
ファータは意志のこもった不思議な声で言葉を続ける。
「あなたの顔には……死相が出ていますね」
「なっ……」
いわれて驚いたのはグレス本人ではなくアールの方であった。
「おい、お前一体何なんだよ。未来を知る力だか知らないが、いきなり失礼じゃないか」
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