魔導師の予言

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 アールが不機嫌そうに言う。グレスはその横で何事もなかったかのようにじっとファータを……魔導師を見つめていた。  しかしそんなことはお構いなしにファータはさらに言葉を続ける。 「しばらくは自重した生活を送るのが良いでしょう。この戦いからは手を引いたほうがいい」  グレスは無言で魔導師の言葉を聞いていた。 「忠告はしましたよ。では失礼……グロリア、私は先に行くから」  言いたい事だけ言ってファータはその場から去っていった。 「ちょっ……ちょっと!ファータ!待ちなさいよ!あ……えっと、グレス気を悪くしないでね、彼、昔いろいろあったらしくて……人との接し方にちょっと問題があるのよね……。魔法の腕は確かなんだけど……。私のほうからよく言っておくから。ごめんなさいね、じゃ……」  申し訳無さそうに言い残して、グロリアはファータの後を追いかけていった。  そんな二人の後姿を見送りアールはやれやれと溜め息をつく。 「グレス……気にするな。魔導師の戯言だからさ……な」  無言で立っているグレスにアールは声をかけた。それに対しグレスは無表情のまま答えた。
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