魔導師の予言

9/9
前へ
/468ページ
次へ
「……別に気にはしていない。ただ……」  気にしていないと言う割には、何か歯切れの悪い様子を見せグレスは黙り込む。アールは黙り込む親友を不思議そうに眺めた。 「ただ?」 「ただ……いや……何でもない。……行くぞ」  そう言ってグレスは歩き出す。 「あっおい、待てよ!」  何か腑に落ちないといった表情のままアールも慌てて走り出した。  二人が立ち去った大聖堂には静かに光が降り注いでいた。
/468ページ

最初のコメントを投稿しよう!

466人が本棚に入れています
本棚に追加