魔導師の思い

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 ファータはきょとんとした表情を見せうーんと考えをめぐらせる。 「……あぁ、私としたことが!きちんとご挨拶をしていませんでした!せっかく貴女が彼らに紹介してくれたというのに……。なんという失礼を……!」  突然叫ぶファータにグロリアは一瞬驚いたが、すぐに我に返る。 「そこじゃないでしょ!」  グロリアに否定され、おやっと不思議そうな表情をする。 「ではどこが失礼だったのか……」  グレス達との会話の内容を(会話として成り立っていたかどうかは別として)反芻する……が、いまいちピンと来ない。  わざとではなく真剣に悩んでいるファータを見てグロリアは疲れた顔をした。 「私が言いたいのは、貴方がグレスに言った言葉が失礼だって事よ!」  ファータはグロリアの言葉を聞いて真顔に戻る。 「べつに失礼なことなんて言ってませんよ」  何となく不機嫌そうなそぶりを見せて横を向き、頭に被っていたフードを外しながらファータは答えた。  フードで今まで隠れていた顔立ちが露になる。  長い金の髪が幾筋も零れ落ち日の光を反射させる。その髪の間からは意志の強そうなエメラルドの瞳が覗いていた。
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