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姫巫女は神官長の家系に生まれ、守護石を狙う悪しき者から守護石を護り、守護石の力を引き出すことのできるただ一人の存在である。
そして、姫巫女は守護石を得るとき犠牲となった少女の生まれ変わりでもあった。
代々の姫巫女はこの神殿の中で誰よりも強い護りの力を持つ巫女であった。
もちろんミゼルオーラも例外ではない。その彼女が護っていたにもかかわらず魔物たちに守護石を奪われたということになる。
愕然とする騎士達を前にミゼルオーラは痛々しげに言葉を紡ぐ。
「守護石を奪われた時、巫女の守護の力をもって魔族を封じようとしましたが、魔族の力が増している今、すべてを封じることは叶いませんでした。まして、戦うことなど……」
姫巫女は深い翡翠色の瞳を静かに閉じた。じっと集まった騎士たちのざわめきが止むのを待つ。
「守護石は女神の力が具現化してできたもの。そして今ではその力によって封じられた、邪神ディーヴァの魔力の根源でもあるとされています。従って早急に手を打たねばなりません。邪神が復活する前に……。どうか皆様、守護石を取り戻してください。この国のために、ひいては世界のために……」
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