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「何か食べたい物とかある?」 たくやは指を指しながら、彼女に問う。 「ううん。私は匂いだけでお腹いっぱい」 彼女はクスッと笑うと、たくやの先を歩く。 彼女が笑うたび、ドキンとする。 「……あ」 前にいた彼女が急に立ち止まり、金魚すくいの屋台を見ていた。 たくやは彼女の所まで行き、話しかけた。 「ん、金魚すくいやりたいとか?」 「……あ、うん。やってみたいな」 よしっ!とたくやは意気込んで、屋台まで向かう。 彼女は腰を下ろし、隣の男の子を見る。 男の子は楽しそうに金魚を取ろうとしていた。
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