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彼女は優しく微笑むと、男の子の頭を撫でてあげる。
男の子は気付かないのか、夢中で水の中の金魚を見ていた。
たくやが金魚すくいに挑戦しようとすると、彼女は立ち上がった。
「えっ、やらないの?」
「うん、やっぱりいいかなって……」
ごめんねそう言って、彼女は再び歩き出した。
たくやも彼女の後をついていく。
ただ何もしないで、人の流れに沿ってを歩いていく。
時々交わす言葉は、たわいのない言葉。
何だかここだけが、時間が止まっているように感じた。
そう言えば、名前を聞いてなかったな。
あ、あと花火を一緒に見よう。
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