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そこには沢山の花が供えてあり、何人かの人が手を合わせていた。 「んでたよッ!」 本当にさきはいないのか…… 「……さき」 手を合わせている人の中で、小さな男の子がいた。 どっかで見たことのある男の子だ。 「あ……」 あの日を思い出す。 確か、金魚すくいの時の男の子。 さきが頭を撫でていた子だ。 たくやがその子を見ていると、一組の夫婦が近付いてきた。 「あの……人違いだったらすみません」 話しかけてきたのは、目元が腫れ上がり、顔色が悪く、今にでも倒れてしまいそうな夫婦だった。
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