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この人達が、さきの両親……。 なんで、初めて会った俺に、こんなに話してくれるんだ? 「あの子……逝く前にね。言ってたのよ……嬉しそうに」 “あなたに出会えてよかった。ありがとう” 俺はこの言葉を聞いた瞬間、涙が溢れてきた。 何だか、よくわからない。 胸の奥がもの凄く痛い。 さきに会いたい。 ドォン、ドォン またこの時期がやって来た。 「たくやー!!」 一階から母の声。 暑い部屋。 壊れているエアコン。 夏、お祭りの日。 「行ってきまーす」 花火 隣を見れば、君が居るかもしれない。 また、一緒に花火を見よう。 君の顔 君の声 今でも忘れない 消えゆく花火とこの想い end
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