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魔法の指輪
魔法の指輪を手に入れた。
これをはめられた人は
はめてくれた人を好きになる。
大好きなあの人に
冗談めかして自然な流れではめてあげるまでに
半年かかった。
魔法の力は効果覿面。
私たちは相思相愛。
毎日が楽しくて仕方ない。
ある時
私の中の誰かが呟いた。
『所詮は魔法の力』
『これは偽りの愛』
『魔法が切れたら』
『お前は全て失う』
急に不安になった。
心臓が痛い。
頭が痛い。
心が壊れる前に
私は全てを打ち明けた。
「まぁそんな事じゃないかとは思ってた」
そう言って目の前で指輪を外された。
夢が終わった。
涙が止まらない。
「…ただですむと思ってないよね?」
目が開けられない。
体の震えが止まらない。
手を掴まれて指輪をはめられた。
「はい次は君の番ね」
「実は指輪を外したら君を好きじゃなくなるんじゃないかって事が一番怖かったんだよね」
あなたが好き
好きで好きで好きで好きでたまらない。
でもこの気持ちは絶対に
指輪の力なんかじゃない。
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