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相性スカウター
世界は広い。
人間は多い。
今この時代を生きている
何千万という数の
恋愛対象者。
でも一生で知り合える人数なんてごくわずか。
お互いを知る機会がある人なんてごくごくわずか。
両想いになるのはごくごくごくごくごくわずか。
でも私には見える。
その人との相性が。
決め撃ちすれば確率はグーンと上がるはず。
通りを行き交う人を眺める。
頭に浮かぶ数字の羅列。
3%…6%…11%…
12%…26%!?
これは高い!!
『誰かと待ち合わせしてんの?』
知り合いだった畜生め。
悪いけど恋愛対象外。
『…いや、ただの人間観察』
『…なんだそりゃ』
こらこら勝手に隣に座るな。
そのまま他愛ない話をしながら人の群れを眺める。
今日の最高記録は26%。
お隣さんだ。
今日も収穫無しでゆっくり腰を上げる。
『…帰るの?』
『…う…ん?』
あれ?
こいつの数字が…
28%に上がってる。
『帰ろうと思ったけど…帰っても暇だから…そっちも暇ならどっか行ってもいいよ…』
そう言った瞬間
あからさまに喜ぶ顔が
ちょっと可愛かった。
そう思ったら数字が29%に上がる。
どうやら相性は…
結構上がるみたい。
それから少し方針を変えてみた。
探すより育てる方に。
そしてこの数字が50%を越えたら…。
こいつに告白でもしてみるか。
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