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異形の娘と森の番人
"ムゲンの森"に
残されるは二人のみ
毎夜続いた宴の参加者は
宵闇と共にさまよい
暁と共に去(い)ぬる
しかし寂しくなどない
けして独りではないゆえに
やがては生まれた異形の子
年過ぎければ
また子は森を去る
残るは
美しきや森の護り人
永遠(とわ)に
魂になろうとも
けして宿命(さだめ)から逃れられぬ
美しき青い髪の森の番人
その傍らには
美しき金色の髪の異形の娘
変わりゆく世の
唯変わらぬもの
それが夢幻
さあさあ
彼方も参られよ
一時の
また現(うつつ)で強かに在らんために
夢幻の宴に
"ムゲンの森"はいつも
迷える哀れなる者たちの傍らに
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