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わたしは
今日から一国の女主となる
つねに王の傍らに座し
微笑を浮かべ
国の行く末を見守る
城という鳥籠に囚われ
自由に野を駆けていた日常は
昔々のおとぎ話に変わりゆる
薄汚れた羽根を毟りとられ
豪奢な飾りの翼を纏わされる
誰かがこの地位を欲するのなら
いつだって譲ろう
わたしには不要だ
また空に羽ばたける自由を
青空の果てまでも飛んでゆける翼を交換に
この"王妃"という名の
甘く苦しい鎖を譲ろう
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