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初めてお目にかかった
この国の王は
わたしと同じくらいの御年で
しかしその瞳は冷たく深く
端正と評される美貌より
それに隠された魂に惹かれた
それは恋などではけしてなく
"共鳴"で
わたしより
長い年月
鳥籠に囚われていた少年
その魂までもが"王"という名の鎖で
がんがらじめに巻き付かれ
青空を忘れてしまった
哀れな鳥
今宵から
彼がわたしの伴侶
少しは彼に青空を見せてやれるだろうか
少しは傷だらけの羽根を癒やしてあげられるだろうか
鳥籠の中
寄り添って生きていけるだろうか
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