王国物語

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何度も肌を重ねた 深い夜がくるたびに だけどそこに愛はなく ただ淡々と 彼は義務のため わたしを抱く わたしは役目を果たすため 彼に抱かれる 体は熱を持っても 心は冷めていた 夜な夜な繰り返される義務と役目 わたしたちは その瞳に互いを映さず 遠い思い出の空に思いを馳せている どんなに朽ちていっても 空の色はただ鮮やかで 涙が一粒 零れ落ちた
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