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詞澄が走り出すのと、私が瓶に口をつけるのは同時だった
喉を鳴らし、一気に飲み干すと
しがみついてきた詞澄に瓶を叩き落とされた
そして、何も言わず吸い付こうとする詞澄の唇をそっと
手の平で包む
「…キスは、駄目…」
お前を一緒に連れていくことは
できないんだよ
綺麗なお前を一人、汚れた孤高の玉座へと置き去りにするのを
どうか許して
途端
私の体が燃えるように熱くなり、気道が軋む
息をするたび肺が傷つけられ血を吹く感覚
数回激しく咳き込んだ私の体は
絨毯へと崩れ落ちる
しかし、それを優しく、詞澄が抱き止めた
「チリ兄!!」
詞澄の絶叫が掠れてきこえる
喉が苦しい
胸が焼ける
私は痛みに遠のく頭の中で
目に涙を浮かべながら私をかき抱く詞澄に
ゆっくり手を伸べた
詞澄、シズ、泣くんじゃない
私が抱き締めてあげるから
いつものように、笑ってくれ
愛しいお前の、笑顔が見たい
視界が暗転する
優しい闇へ、落ちていく
ああ、もう
この世の色彩に、疲れなくてすむのだ
この眼球は
そこに、いらっしゃるのですか?
ああ、父様
寂しかったでしょう
私がお側におります
今、行きます
死にゆく私の手の甲に
一粒の涙と
狂おしい程の愛の唇が
そっと、落ちた
Who killed Cock Robin?
I,said the Sparrow,
With my bow and arrow,
I killed Cock Robin.
どちらがしあわせだったのか
わたしには
きめられませぬ
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おそれおおくも
マザーグースから引用させていただきました
タイトルの意味は
『誰がコマドリを殺したの?』
20071226
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