佐藤 真(サトウ マコト)②

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    メールを確認し携帯を閉じようとした所で、狙いすましたかのように電話が鳴った。 『もしもしマコトぉ? 俺のメール見た?』 やはりというか何というか、アキラだった。 「アキラ……あの長ったらしいのを三行に要約してみ」 『えぇー……あー……。  その一、夏休みまで暇だから遊ぼう。  その二、何もアイデア無いから募集中。  その三、テーマは『青春』でよろしく』 「……大変よく出来ました」 『じゃあ何か奢ってくれ』 「うるせぇ。てゆうかあのメールは何よ? 俺以外にも何人かに送信してたみたいだけど」 『いや、だから遊ぼうメールだよ。今日カラオケに行った奴らと、他にも何人かに送っといた』 そう言うとアキラは、知っている名前を何人か挙げていった。 『でさ、マコトは何か無いの? これぞ青春ッ! みたいなものは』 「んー……いきなり聞かれてもすぐには出てこねーわ。一応考えておくけど、あんま期待すんなよな」 『分かった、楽しみにしてる。じゃあ思いついたらメールくれ。ほんじゃなー』 そう言うとアキラは、こっちの返事を待たずに電話を切ってしまった。 あのメールといい、この電話といい、やはり普段とは違う何かしらの気遣いを感じてしまう。 隠そうとしても隠しきれない、素直なアキラらしい。    
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