佐藤 真(サトウ マコト)②

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俺は六畳ほどある自室で、ベッドに仰向けになりながらアキラについて考えていた。 天井と壁紙、それとクローゼットは白で統一し、他の家具類は黒や茶色でまとめられており、この色合いが、部屋の無機質さを演出している。 そんな昔の映写機みたいな色の部屋で、同じく自分の記憶も再生してみる。 アキラとの出会いは、どんなものだったかは覚えていない。 何か大きな事件があったわけでもなく、気が付いたら一緒に行動していた。 あいつが何を思って俺なんかと居るのかは分からないし、あえてそれを聞くタイミングも今まで無かった。 ──いや、本当は聞く勇気が無かった。 だったら、今がそのタイミングなのかもしれない。 もしも今きっかけを作らなかったら、俺は一生このままなのか。 他人の目を気にして、友人にすら心を開けない人間の将来とは、一体どれほど空虚なものなのだろう。 考えすぎかもしれないけれど、この背中がチリチリする感覚がどうしても拭えなかった。 ──このままではまずい。 ふと、自分は今、人生の大きな岐路に立たされているような気分になった。 幾つかの道が伸びてはいるが、先は霞んで見えない。 ただ、もしも選択の余地があるのなら、自分が望む未来がどんなものなのかは……何となく分かった。 ──聞こう、そして言おう。 ──せめて、アキラだけには──…。 [To]小川 晶 [Subject]Re:招待状   >学校、サボりたい          
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