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いつもの教室。
いつもの顔ぶれ。
今日はいったい何月何日?
そんな事を意識の底に沈めながら、自分の口が勝手に喋りだす。
「先週発売したアルバム聴いた? マジ感動したんだけど」
──って誰か言ってたっけ。
「あー次って狭山の授業だっけ。宿題ないよね?」
──ないよ、自分でも知ってる。
「昼メシどうする? ……ん、じゃあ学食にすっか」
──そう言うと思った。
俺はクラスの男友達に話し掛けながら、心の中でその質問の答えを呟いていた。
そして予想通りの返事がくると、安心するのだ。
……ああ、自分は大丈夫だ。
上手くやれてる、と。
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