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「おぉ!美樹ちゃん!」
さっき誠と話していたホストがすぐにやってきた。
「竜~久しぶりじゃん!元気にしてた?」
「元気だよ!あ、初めまして竜です♪」
竜は私に挨拶をして私の目の前の丸椅子に腰かけた。
「どう?竜可愛くない?」
美樹が言う。
「うん、可愛いね。いくつ?」
「21です。お名前聞いてもいいですか?」
「桜。」
「桜さんですか。普段よく飲みに行くんですか?」
「行くかな。でも昼職だからあんまりお金使えないけどね」
「どこに行かれるんですか?」
私は京介の店の名前を言った。
「あ~かなり有名ですよね!楽しいですか?」
楽しいのか…分らない…
求めていた優しさが今はなくなってしまっていた。それでも通わずにはいられない。
「分かんない。私の担当自己中な子だから」
「そうなんだ。オラ営なんだ」
「そうね…前は可愛かったんだけどね~店前同伴してあげないとすぐ怒るし、大変よ」
「え~!そんなの許したらダメですよ!」
「惚れた弱みよ(笑)」
「あ!桜さん、美樹ちゃんゴメンなさい。俺ちょっとお客さんいるから戻らないと。また後で来ますね!」
竜は立ち上がると先程の席に戻っていった。
「どう?可愛いでしょ?」
美樹がニヤニヤしながら私をつつく。
「まぁ…いいんじゃない?好きなタイプではないけどね」
「はぁ…桜は京介一筋だね~。今は誰見てもダメかぁ」
「そうかもね」
そこで誠くんが声をかけてきた。
「そろそろ時間だけどどうする?」
「美樹、帰ろうか」
私は財布を取り出して千円を誠くんに渡した。
美樹は誠くんのおごりらしくお金を支払う気配はない。
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