853人が本棚に入れています
本棚に追加
/273ページ
「桜ぁ、お前今日いくら使える?」
いつものように京介の店で飲んでいると突然京介が切り出した。
「は?そんなに持ってきてないよ」
「ふ~ん…じゃあさ、悪いけど帰ってくんない?俺今月成績悪いから頑張んないといけないんだよね。で今から太客来るんだよね。できたらがっつり着いて煽りたいし」
「ふ~ん…金にならない細客はいらないって事ね」
「まぁそうだね。あ、そういえば来月の俺の誕生日なんだけどもちろん何か入れてくれるよね?」
「考えておく。ていうか細客はいらないんでしょ?だったらもう来ないから!」
「はぁ?お前何切れてんの?とりあえず面倒臭いしもう帰れ!はい、チェックね」
追い出される形で店を出る。
最近の京介はいつもこうだ。
可愛かった京介は今はどこにもいない。
金金金…
ホストなんだから当たり前と自分に言い聞かせるけど、いつも帰りは惨めな気分になる。
最初のコメントを投稿しよう!