2/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
俺、藤間真生(フジマ・マサキ)には目下の悩みがある。 それは…… 「まっさっきっくーん!」 …出た。 最近やたらとスキンシップの多い、幼馴染みの近藤游(コンドウ・ユウ)だ。 高2にもなってベタベタベタベタするのは女の子みたいでヤだ。 と何度言っても聞く耳持たずの游は、今日も今日とて俺の肩に腕を回し、さりげなく腰にも触れながら、寄り添うように校門をくぐろらうとする。 「ちょ、ちょ、ちょ、」 「ん?」 「ん? じゃねーよ、ん? じゃ!何度言えば分かんだよお前は!暑苦しいんだっての!ちょい離れろ!」 喚く俺をめんどくさそうに眺めて、游は言った。 「暑苦しいて…お前が我慢すれば済む話だろ?」 こ の や ろ う 😉 そういう問題ではないともう耳にタコが出来るほど言ったはずだ。 それでも游は懲りもせず、何が楽しいのか男の腰に腕を回して笑っている。 しかしそれより悲しいのは、既にこの光景が、名物となってしまっていることだった。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!