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俺、藤間真生(フジマ・マサキ)には目下の悩みがある。
それは……
「まっさっきっくーん!」
…出た。
最近やたらとスキンシップの多い、幼馴染みの近藤游(コンドウ・ユウ)だ。
高2にもなってベタベタベタベタするのは女の子みたいでヤだ。
と何度言っても聞く耳持たずの游は、今日も今日とて俺の肩に腕を回し、さりげなく腰にも触れながら、寄り添うように校門をくぐろらうとする。
「ちょ、ちょ、ちょ、」
「ん?」
「ん? じゃねーよ、ん? じゃ!何度言えば分かんだよお前は!暑苦しいんだっての!ちょい離れろ!」
喚く俺をめんどくさそうに眺めて、游は言った。
「暑苦しいて…お前が我慢すれば済む話だろ?」
こ の や ろ う 😉
そういう問題ではないともう耳にタコが出来るほど言ったはずだ。
それでも游は懲りもせず、何が楽しいのか男の腰に腕を回して笑っている。
しかしそれより悲しいのは、既にこの光景が、名物となってしまっていることだった。
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