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その様子を見終え、ルークの右に座る男が口を開く。 「王よ、この度の戦、おそらく勝つ見込みは露ほどのもの。時期をみて、後に攻める。それでは遅いのですか」 男はただ、燃え上がる火を見つめる。その瞳には僅かな、戸惑いと恐れが浮かんでいる。 「軍師キースよ。お前はよく働いてくれた。今ここで逃げようと、私はお前を責めはしない。……確かに、勝ち目の薄い戦いだ。わかっている。だがな、今討たねばならない。そう感じるのだ」 王は杯を置き、頭を下げる。 「……国を愛する人として、貴殿に願う。どうか、その力を我らに貸してはくれないだろうか」 しばし、その王を見つめるキース。少しして、その表情が和らぐ。 「……頭をあげてください。わかりました。このキース、例えどれほど厳しい状況でも、見事この国をもとの国に戻して見せましょう」 キースの目からは負の感情が消え去った。 「頼む」 ルークはキースの杯に酒を注ぐ。キースはそれを高く掲げ、後、一気に飲み干した。
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