レール

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桜は自分のコーヒーを注ぎ終え龍と孝の正面のソファーへ腰掛け 「いい?今回のターゲットは大手家電メーカー会長の松木源三。やり方はいつも通り拉致後すぐに龍の倉庫へ運搬。仕上げは龍に任せるわ。」 「桜さぁ、俺に電話で今回は訳が違うとか言ってなかったっけ?それじゃ本当にいつも通りじゃんかよ!」 「やり方はね。でも今回は額が違うのよ。」 龍は眉間にシワを寄せながら「ちなみに?」 「10億。」桜はすぐに答えた。 「10億だ!?」龍と孝は信じられない面持ちで聞き返す。 「依頼主は松木の奥さんなんだけど、殺すにはまだ早いし生かせておくには耐えられないんだって。だからウチ達の所へ頼んだって訳!」 「ふーん。当分は会長の座にいてもらって、精神科に入院中も給料やら保険金を貰って悠悠自適に暮らすって腹か!?」 孝は微笑みを浮かべながら「どうせすぐに死んじゃうだろうし、そしたら遺産も頂きだよその奥さんは!」 「ククク、桜よりワリィ女だな!」 「ちょっと龍!」声を荒げて桜が言うと 「ゴメン!ウソウソ!」 はぁ、っと大きく息をつき再び 「はぁ、でもさぁ話がうますぎないか?」 「うん。私もそう思って今日朝から孝と二人で調査してたのよ。」
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