レール

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「へぇ、それで?」 「通話記録をハッキングして調べたけど、警察関係との繋がりはないみたいよ。あと銀行の預金も調べてみたけど10億なんて余裕ね!」 次は?と急かす様な二人の視線が孝に向けられる。 それに気付いたのかニコッと笑みを浮かべ「僕は奥さんを監視・盗聴してたけど怪しい行動も電話もなかった。朝、犬の散歩と友達とランチしに出たくらいだよ。」 「そうか。」遠い目をした龍が答える。 短い沈黙の後、龍が沈黙を切り裂いた。すでに目には焦点が戻りいつもより光輝いて見えた。 「金の振込みの期限は?」 「明日の正午よ。」 「よし!振込みが確認出来次第すぐマネーロンダリングに取り掛かってくれ!もちろん俺と孝への連絡も忘れずに!」 「了解!」 「孝は桜から連絡がきたら軽のバンを調達してきてくれ!」 「了解です!」 「その間に俺はナンバープレートと免許証を造っておくから。あと備品やなんかも揃えておくよ。運送屋の集配に化けて松木源三の確保だ。OK?」 「オッケー!」 部屋の空気は龍が到着してすぐの和やかなモノに戻っていた。 「そうと決まれば寝よ寝よ!二人共おやすみねー!」足早に自分の部屋に発つ桜の背中に二人の「おやすみ」が届く寸前(バタン)
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