レール

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扉が遮った。 「あいつの前世はきっと猫だな。そう思わないか?」 「へへっ、かもね!」 笑いを押し殺しながら寝る支度を始めようとする龍に 「ねぇ、もし良ければでいいんだけど龍の昔話って言うか過去に何があったか教えてくれないかな?」 孝の予期せぬ突然の質問に呆気に取られた面持ちで 「なっ何だよ急に?それに俺がココに来る前に桜から俺の事聞いたんじゃなかったか?」 「うん。でもやっぱり本人から直接聞きたくてさ!あとね、馴れないブラックコーヒーで目が冴えちゃってるみたいで。」 「ハハ!そっかそっか!じゃあどこから話そうかな。」 天井をジッと見つめ、頭の中を整理している様子の龍を嬉々とした無邪気な表情で待ちわびている。 「じゃあ話そうか。14才の夏休みに叔父さんの住む南米のある小国へ一人で遊びに行った時に全てが変わったんだ。その叔父さんって脱サラして向こうでコーヒー豆の栽培やっててさ、結構儲かってたみたいで従業員も一杯いて、デカい家に住んでて俺の憧れの人だった。」 「だったって過去形ですか?」 「あぁ。俺がメイドさんと海水浴に行ってる間に殺されたよ。」 「えっ?何でですか?」
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