ヒュウ編 わがままな依頼者

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ヒュウが追った山賊達の向かった先は洞窟だった。 洞窟の入り口で、フレイヤが縄で木に括り付けられていた。 「あのバカ……本当に捕まったのか」 草群の中で様子を伺っていたヒュウが呟いた。 「親分!」 山賊の兄貴分が、戻ってきた。 「君か…その様子だと、例の傭兵は倒せなかったみたいですね。僕の手間が増えるじゃないですか」 ツレッドは「ハァ~」とため息をついた。 「ヘヘ…親分ならあんなガキ一人どうって事ないでしょ?」 「まぁ、いいですよ。最近、僕も腕が鈍ってますから丁度いい」 ツレッドはそういいながら嬉しそうに剣を研き始めた。 その間に、ヒュウは草群から周り込んで、フレイヤの側にいった。 「フレイヤ!生きてるか!?」 ヒュウが小声で草群から呼び掛けた。 「…ヒュウ!何やってたのよ!早く助けなさい!」 相変わらずの命令口調…取り敢えず元気そうで安心した。 「待ってろ。今助け……」 「!ヒュウ、後ろ!」 フレイヤの一言で振り返ると、山賊が背後から斧を振り下ろした。 「うわっ!」 間一髪でかわしたが、山賊達に見つかってしまった。
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