ヒュウ編 わがままな依頼者

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「…アンタ正気か?」 「僕はそんなくだらない冗談は言わない。答えは…?」 「NOだ」 ツレッドの言葉が終わらない内に、ヒュウは即答えた。 「なぜだい?金も自由を手に入るんだよ?」 「俺は雇い主を裏切るような事はしない。信用問題にもなるからな」 「そうか…残念だ…」 と言って、ツレッドは剣を抜いた。 「最初からそうすりゃよかったんだ!」 と、ヒュウも刃槍を構えた。 「バカめ!親分をただの山賊と一緒にするな!」 ほざく兄貴分を無視して、ヒュウはツレッドに飛び掛かった。 ツレッドはそれを紙一重のところでかわし、突きを繰り出した。 ギリギリでかわしたが、剣先が頬をかすめた。 「アンタ、ただの山賊じゃねぇな。その剣技……プリアモス兵のモノだ」 「ほう、たった一度見ただけでわかりましたか。そうですよ、僕はプリアモス軍の元部隊長でした」 「なるほどな…強い訳だ」
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