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「フフ…僕に勝負を挑んだ事が間違いだったんだよ。ただの山賊と思って見くびったようだね」
ツレッドがクスクスと笑いながら言った。
「ああ、見くびってた。……残念だ」
「残念?ククク…確かに、最初に僕の施しを受けていれば、君だけは助かったのに…」
ツレッドが言い終わる前に、ヒュウは刃槍を振るった。
刃槍はツレッドの頬を擦った。
「おまえ程の腕があるヤツが悪党やってる事に残念だって言ってんだ!」
「っ…!!貴様!」
今の言葉に怒ったツレッドが剣を振り上げて斬り掛かった。
「斬り崩してやる!」
ツレッドが突進しながら剣を振り下ろした。
しかしヒュウは槍で横に受け流し、ついでに足払いを掛けて転ばせた。
ツレッドは「ウァッ」と声を上げて見事にスッ転んだ。
「バカな!僕が傭兵ごときに!」
「悪いな!プリアモスの剣技なら知り尽くしてる。
俺は将軍クラスを何人も倒してるんだ」
「そんな事……認めない!」
ツレッドが立ち上がり、剣を突き立てて突進して来た。
ヒュウはそれをしゃがんでかわし、そのスキを突いてツレッドの腹を斬り付けた。
「ぐぁっ」と血を吐いて倒れた。
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