65人が本棚に入れています
本棚に追加
「親分がやられた!」
「そ、そんな!俺達、どうすりゃ…」
「に、逃げろ!」
頭を失った山賊達は、一目散に逃げ去った。
「おい、待て!僕を置いていくな!」
ツレッドが地を這って子分達に叫ぶが、山賊達は耳を貸さなかった。
「……見捨てられたな。哀れなモンだ」
「ク、クソォ!」
ヒュウは悔しがるツレッドの後頭部を槍で殴り気絶させ、縄で縛り上げた。
「さてと…片付いたか」
「ちょっと~、私の事忘れてな~い?」
木に縛り付けたまま放置されてたフレイヤがご機嫌斜めで不貞腐れてた。
「あ……悪い」
ヒュウはすぐ様、縄を解いてやった。
「ハァ~、散々な目に合ったわ」
「アンタが道に迷ったからだろ?面倒事を増やされる俺の身にもなってくれ」
「何か言った?」
フレイヤが目を据わらせて睨む。
「いいえ、ナ~ンにも…」
「そう!よかった!」
フレイヤは笑顔で言って、歩き始めた。
それに対し、ヒュウは「ハァ」とため息をついて、縛り上げたツレッドを抱え上げ、トボトボついて行った。
「色んな意味で…疲れた…」
最初のコメントを投稿しよう!