ヒュウ編 わがままな依頼者

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いろいろあったが、旅も終わり、王都に辿り着いた。 報酬の話のためフレイヤに連れられ、館の一室でボーッと待っていたら、中年の貴族が入ってきた。 「君がフレイヤの言った傭兵か」 「アンタは?」 「フレイヤの父親のオーディと言う。…いや…娘には色々と世話を焼いたろ?」 「ええ…そりゃもう…」 ヒュウは苦笑を浮かべた。思い出すだけで疲れる…。 「私が甘やかし過ぎたせいで、ああなってしまった。あの性格では、男ができるか心配でな。 『かわいい子には旅させろ』と言うから、少し遠くに用事を頼んだんだが、まさか傭兵を雇うとは思わなかった…。迷惑をかけた」 「………でも、今回の旅で少しは変わったと思いますよ?」 確かにフレイヤは山賊に捕まってから変わったようだ。無理難題を押しつける事も少なくなったし、駄々をこねる事も無くなった。 「そうか…報酬はフレイヤが直接渡すそうだ。玄関にきてくれ」 と、扉を開け、ヒュウを玄関まで案内した。
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