ヒュウ編 わがままな依頼者

4/16
前へ
/70ページ
次へ
護衛の辞退も断られ、仕方なく仕事を続行するハメになった。 「フゥ…ここで休憩しましょ」 フレイヤがその場の岩に座り込んで言った。 「また?さっき休んだばかりだろ?」 「レディは大切に扱うモノよ。あなたはそこの川で水を汲んできて」 「…ったく、追加料金もらっても割に合わねぇや」 とブツブツ言いながら、近くの川で水をくみに行った。 その時だ。 「キャアアア…!」 と、フレイヤのカン高い悲鳴が聞こえた。 急いで戻ってみると、フレイヤが山賊に囲まれていた。 「何なのよ!アンタ達!」 「へへっ、若い女が一人でこんなところを歩いてるなんて物騒だぜ?俺様が送ってやるよ」 と、山賊の一人がフレイヤの腕を掴んだ。 が、すぐにフレイヤは腰に刺してたレイピアを抜いて、山賊の腕を斬り付けた。 これにはヒュウも肝を抜かれた。 「…触らないでよ」 「!!」 フレイヤは冷徹な表情で、山賊の首にレイピアを突き付けて言った。 「チッ!このアマァ!」 と周りの山賊達が斧を振りかざして、フレイヤに襲い掛かった。 「キャ~!ヒュウ!ボサッとしてないで助けなさいよ!」 「何が『キャ~』だ!おまえ本当は護衛いらないんじゃねぇか!」
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加