ヒュウ編 わがままな依頼者

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「…確かに、守りながらこの数を相手にするのは、マズいかもな…」 ヒュウは、先に襲ってきた山賊達を蹴散らしながら言った。 フレイヤもそれなりに応戦しているが、苦戦している。 「フレイヤ!アンタだけ一旦逃げろ!コイツらは俺が足止めする!」 「依頼主に命令する気!?私を一人にするの!?」 「アンタを守りながらじゃ、思い切り刃槍を振れないんだよ!すぐに片付けて追い付くから、先に行け!」 「…わかったわ。けど、すぐに追い付いて来てよ!これは命令よ!」 「ハイハイ、雇い主様っと…」 ヒュウは嫌味っぽく言いながら、襲ってきた山賊を倒した。 その間にフレイヤはその場を離れた。 「女が逃げたぞ!誰か追え!」 山賊の兄貴分が叫んだ。 それを合図に、三人程の山賊がフレイヤを追った。 「おっと、行かせねぇよ!」 ヒュウはフレイヤを追おうとした山賊達に、倒した他の山賊の斧を拾って投げ付けた。 斧はクルクルと回転しながら、先頭を走っていた山賊の頭に直撃した。 残り二人が怯んだスキを、ヒュウが槍で蹴散らした。 「おまえらはしばらく俺とここで遊んでもらう。そんなに時間はかけないから安心しろ」 「ウグッ…おのれぇ!」 山賊の兄貴は冷や汗をかきながらも強がっていた。
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