65人が本棚に入れています
本棚に追加
「…確かに、守りながらこの数を相手にするのは、マズいかもな…」
ヒュウは、先に襲ってきた山賊達を蹴散らしながら言った。
フレイヤもそれなりに応戦しているが、苦戦している。
「フレイヤ!アンタだけ一旦逃げろ!コイツらは俺が足止めする!」
「依頼主に命令する気!?私を一人にするの!?」
「アンタを守りながらじゃ、思い切り刃槍を振れないんだよ!すぐに片付けて追い付くから、先に行け!」
「…わかったわ。けど、すぐに追い付いて来てよ!これは命令よ!」
「ハイハイ、雇い主様っと…」
ヒュウは嫌味っぽく言いながら、襲ってきた山賊を倒した。
その間にフレイヤはその場を離れた。
「女が逃げたぞ!誰か追え!」
山賊の兄貴分が叫んだ。
それを合図に、三人程の山賊がフレイヤを追った。
「おっと、行かせねぇよ!」
ヒュウはフレイヤを追おうとした山賊達に、倒した他の山賊の斧を拾って投げ付けた。
斧はクルクルと回転しながら、先頭を走っていた山賊の頭に直撃した。
残り二人が怯んだスキを、ヒュウが槍で蹴散らした。
「おまえらはしばらく俺とここで遊んでもらう。そんなに時間はかけないから安心しろ」
「ウグッ…おのれぇ!」
山賊の兄貴は冷や汗をかきながらも強がっていた。
最初のコメントを投稿しよう!