65人が本棚に入れています
本棚に追加
「ハァ…ここまで来れば、一先ず大丈夫でしょう」
1キロ程逃げた場所で、フレイヤは、一息ついた。
「…にしても、下品な山賊達ね。かよわいレディーをしつこく追い回すなんて…きっと私がかわいいせいだわ。ああ、私って罪な女」
…自信過剰である。
上品な山賊などいた方が恐い。
「いや、大変な目に合ったようだね」
後ろから声をかけられ、ビクッとして振り返ると、スラッとした優男が立っていた。
「貴方は誰なの?」
念のためにレイピアに手をかけた。
「申し遅れた。僕は山賊団長のツレッドです」
「!!」
それを聞いて、フレイヤはすぐにレイピアを抜いた。
いたよ…上品な山賊が…。
「フフッ…。そんなに恐がらなくても、すぐに殺しはしないよ。あなたなら、一晩は生きていられる…」
「このケダモノ!アンタ達なんかに捕まってたまるモンですか!」
「ハハ…気が強いんだね。好みだよ、今夜が楽しみだ」
と言って、ツレッドが腰に刺してある剣を抜いた。
最初のコメントを投稿しよう!