物語への扉

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夢のはじまりは、いつかどこか。 闇に支配された舞台、光が登場。光はあくびひとつ目を覚ます。 闇はひっそりと退場。 光は舞台中央で叫ぶ。 「闇は去った!さあ、はじめよう。バルプルギスたちの宴を!」 光は輝くマントで自分を覆うと、突如マントを宙に放った。光は影も形も無く消え去り、マントが木の葉のようにひらひらと舞台に舞い落ちる。 舞台袖から現れた闇が、マントの周りを踊り出す。 すると突然、マントの輝きが赤く変わる。メラメラと燃えだしたマント、見る間に火柱に。 火柱の向こうから、かすかに聞こえてくる歌声。だんだんと歌声が大きくなり、闇のダンスも激しくなる。 闇が火柱に飛び込むと、悲鳴と合唱のなかで、闇は燃え尽きる。 舞台には音も世界も無くなり、幕がスルスルと降りてくる。
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