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「静かにしなさい」
担任の二宮が教室に入って一喝した。
「席替えをしますよ。出席番号のところに座ってください」
二宮に指示された通り、ざわめいていた生徒たちは少し静かになったが、席の移動で再びざわめきだした。
「ここか…。隣って誰だろう?」
そう言って呟いた、石村絵里は自分の出席番号の席に座った。
「あっ…」
後ろから声がした。
絵里が振り向くと一人の少年がいた。
「うわっ…。なんだよ…隣はお前かよ!最悪じゃん」
(はぁ?なにこいつ!?)
「私のほうが最悪なんだけど!なんで、あんたとなんか隣にならなくちゃいけないのよ!」
売り文句に買い文句だ。
絵里にとって、この見知らぬ無礼な少年が、この後の人生を変える人物だと知るのは後のことである。
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