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僕の頬を自然と涙が流れ落ちる。
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自分でも何で泣いているのかわからない。
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「もぅっ!拓ちゃんたら話きいてんの?て‥‥どうしたの!?言い過ぎた!?ゴメンね‥。」
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「そんなんじゃないよ。気にしないで。」
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「ん-わかった。なんか心配だけど‥。」
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僕はこの事を結花に話したくなかった。
なんか恥ずかしくて。
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気まずい沈黙が流れる。
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それをなくすかのように一冊本を手にとり結花が言う。
「この本、拓ちゃんお気に入りだったの-?拓ちゃんにしては珍しく哲学書じゃなかったからあたしも読めたけど‥。これ、何回も読んでたでしょ!?」
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「あ-うん。そうだなぁ‥読んだなぁ-何回も。それなんか読みやすいっていうか‥うん。笑」
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「なによ-気になるじゃん!気持ち悪いなぁ!」
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「うるせぇ!!」
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その本は‥‥結花と付き合い始めた頃に読んでいたものだ。
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まぁ病気がわかってからは図書室にすら行かなくなったけど。
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