ムセイオン

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雨に濡れ、泣いてる 君の横で 犬がくしゃみした それがボクのとソックリで 君は泣きやんだ 僕はうつむき 君と距離をあけた 道端に落ちてる 乱雑な言葉はジグソー みたく並べて捨てた とっておきゃ良かったんだな あれが僕の本音だったんだ 結局何時も僕は ああだこうだと考えすぎて 一番大事な 言葉を落としてきたんだ それを知って 僕はまた 言葉をうじうじ考えた やがて無言で 君に並んで 小さな手と手を繋いだんだ 守ろうとした 君の何かに 確かに僕は触れたんだ 完璧な言葉じゃなく 無器用な指先で ふと思い出して 沢山の本の山 探して見つけた風見鳥 そのまま本に挟み直した 小さな僕らに返すよ この場所を示し続けて
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