─序章─

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暫く家までの道を真っ直ぐに歩いていれば、岳足お爺さんが途中まで迎えに来てくれていました。 岳「ば、婆さんや…その大きな桃はなんじゃいな?!」 桃の、余りの大きさに目を見開き、桃を凝視する岳足お爺さんの目は点になってしまいました。 早「河で、洗濯して居ったらな?この桃が、流れてきたんじゃよー」 岳「桃は木になる物さぁ。川に流れてたりはせんじゃろう。」 不可解な早苗お婆さんの言葉に、いまいち信用出来ずも、大きな桃を受け取れば、家まで仲良く話しながら帰った。 今日の事明日の事隣町の事… 岳「最近は町に鬼が出とるらしいのぅ…くわばらくわばら。」 早「それは、怖いのぅ…」 等と話している内に、二人の家に着いてしまいました。 家に着けば早苗お婆さんは、ご飯の支度を始め、岳足お爺さんはお風呂の用意を始めました。 台所からは、トントントン、材料を切る音。お風呂場からはカンカンカン薪を割る音。 それぞれがリズミカルに聞こえてきます。 早苗お婆さんも岳足お爺さんも、おやつとなる桃を楽しみにしているからです。 暫くすれば作業がすべて終わり、ご飯をよそったお碗とお味噌汁の入ったお椀、そしてお魚、お新香等が机に並びます。
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