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レノが
「声を上げないで!奴らには逆効果だから…!」
といつの間にか私の後ろにまわり口を塞ぎ小声でそう言った。私は頷く。
私が同意したのを確認すると手を離し再び私を引っ張り走り出した。
「何があっても絶対振り向いてはダメだょ…!!」
私はもうすでにあの悍ましいうめき声への恐怖で声が出ないため変わりに頷く。心臓がバクバクと脈打つ。角を曲がり真っすぐ行くと大通りへと続く階段が伸びていて私達は必死に階段を駆け上がるが結構キツイ。「ゥウウウ…ウゥゥウウ」まだ後ろからまるでぴったりと後ろに着いて来るようにうめき声が着いて来る。そのまましばらく走り続けていると公園の広場のよう上り終わると右の方へ行き角を左へ曲がる。どんどん複雑な道に入っているのにうめき声は止まはない…。(振り向いてはダメ…っ)私は恐怖で頭がおかしくなりそうなのを押さえてなんとか必死に走った。そのまましばらく走り続けると大きい公園にたどり着いた。公園は電灯に照らされてとても明るい。私はただがむしゃらに走って来たのでここがどこなのまったくかわからない。まぁちゃんと走っていてもわからなかったろうけれども。
「もう大丈夫…ここには奴らは入って来れない…!」そぅ言うとレノはやっと私の手を離してくれた。
「はぁ…っはぁっ」
私は長距離走って来たため息ぐるしさで息が上がって上手く呼吸できない。
「ルビー大丈夫…?」
そう言うとレノは私の喉元を軽くゆっくりと摩った。すると初めの時の刺し傷の時と同じくみるみると息が楽になっていった…。
「ぁり…がとぅ…」
私はようやく心臓も落ち着いてきたみたいだ。
なんだかレノの力は不思議…暖かくて柔らかい感じ。「ここは大通りの公園…。奴らは明かりに弱い。ここには沢山電灯があるから入って来れないんだょ。」
だからレノは一直線にここに向かって来たのね…。
「…怖かった…。」
「偉いよ。よく振り向かなかったね。振り向いてたら連れて行かれてた」
…そう思うと寒気が…。
私は何気なくドレスの後ろを見た…その時…!!
「!!嫌ぁああああ!!」ドレスにはくっきり血まみれの手形がついていた。
この手形は一体…。
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