Memory1

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「ぅん、そぉ。でもそんなに簡単に魂と肉体は離れない。その時身体は昏睡状態…生死をさ迷うんだよ。そして上手くまた身体に戻る事が出来れば記憶は戻る」レノは紅茶を一口すする。「戻れなければ魂は黄泉の国をさ迷い次の身体を探して再び生を得るんだ」 ―それが生まれ変わり― 「所詮、肉体は魂の器に過ぎない…生きているうちに悪事を働き事故にあったりして魂だけになって媒介を得る事が出来なかった物が帰還者―ァイツらも始めは人の形をしていた。でも長い間魂のままだとぁあなってしまうんだよ。帰還者は媒介を求めてまだ媒介に入っていない魂を襲い肉体と切り離し自分の媒介にする…だから危険なんだよ…」私は…本当にまともな生き方をしていたんだろうか…記憶のない今私にはそれすらわからない…。 私も紅茶を一口すする。 「ここには帰還者が沢山さ迷っているの…??」 「ぅん―だから外には出てはダメだ。ここは結界を貼ってるからなかなか見つからないから安全だし。」 確かにレノの言う通りここから出ない方がよさそう。「元の身体に帰るには…どうすればいいの?」 「記憶を取り戻すしかないね。記憶が身体との繋ぎ目だから…。僕はずっと記憶が戻らないんだ…もしかしたら肉体は死んでしまったのかもしれないな」 私はレノになんて言っていいのかわからなかった。 レノは時々歳より大人っぽい言い方をするから。 年齢は私より低いはずだ。なのにたまに私より大人びた言い方をする時がぁる。まぁ顔もちらっと横顔しか見ていないけど…。 私はふと自分の手を見た。白い血の気のない人形の手がそこにはあり人差し指にはルビーのような赤い石がついた指輪がめられてる。「私も―もしかしたら死んでいるのかしら…。」 自然と言葉が口から出た。「きっと大丈夫だと信じよう…いつか記憶が戻ると」レノも静かにそう言った。(いつか…か―) Memory1END
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