過去の鈴-姫鈴-

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「ただいま!お姉ちゃん!!」 返事がない。 「お姉ちゃん?」 奥へと進む。 「お姉ちゃ…!!!」 そこに居たのはさっきの女だった。 『ゴチソウサマ…』 ふふっと笑うと、口元を拭った。 女の足元には姉の頭が転がっていた。 赤 赤 赤 赤 赤… 「―――!!!!!!」 姫鈴はガタガタと震え、涙で視界を濡らす。 「お姉ちゃん!!お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん!!!!!!」 姉の頭を抱え座りこみ 何度も姉を呼ぶ。 暁色の空は 真っ黒な闇となった。  
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