プロ入り

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その日本田は外に出ようとしなかった。今日は運命のドラフトの日にも関わらず。 なぜ部屋から出ようとしないのか。 それはドラフトにひっかかる見込みがないと確信していたからである。本田は甲子園はおろか、県大会も3回戦どまりだった。 「はぁ~…、なんで願書なんか出したんだろ。まぁ監督が『お前なら行ける』っつったからなんだけどな。」 下の階から声がする。浩樹の母だ。 「あんたドラフト見なくていいの?願書出したんでしょ?」 「…見たくない。」 「もし選んでくれる球団があったらどうするの?!」 「うっせえな!甲子園にすら行けなかったやつがドラフトにひっかかるかってんだよ!」 「何よその言い方!? もう勝手になさい!」 「はぁ、親に八つ当たりしちまったよ。情けねえな、俺って。」 その時、携帯が鳴った。
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